方言

題も「方言」ちゅうことで久しぶりに山口語で書こうちゅうて思うちょります。
このごろよう使われよる「なにげに」ちゅう言葉、わしゃ使うゃあせんですが若いのの間じゃよう使われよりますいね。こりゃあ、「何気なく」を短こうしたもんじゃと思いよったそですが、あれですてね、元々は千葉県の方言なんですてね。それがどねーやらして東京へ入っていったっちゅうことのようですいね。
こねーって方言が全国区に広まるちゅう例も色々ありますがいーね、我が山口(「や」にアクセントを置く)からも広まった言葉がありますいね。それは、「〜であります」ちゅうそ。このごろはどこやらの軍曹さんがよう使うちょってですいね。
元々ですね、山口にゃあ「〜あります」ちゅう言葉がありますいね。ちゅうてもこりゃいわゆる老人山口弁で若い人は、はあ使うゃあせんですが。用例としては「この度はおめでとうあります。」とか「この度はお力落としあります」とかいうそです。要は「ございます」の代わりぐらいに思うてくれりゃあええですいね。それで、今の言葉と違うて「で」は入りません。こねーな言葉を今でも極々古い山口県人は使うちょってです。
へで、どねぇって標準語へ入ったかっちゅうと、軍隊ですいね、陸軍。陸軍は長州閥ですけーね、そこの偉いさんがみな山口語を喋りよったわけです。それで広まっていったっちゅうわけです。
どんなところからでも言葉は入っていって、ちいとった変わっていくちゅうことですいね。