指名か一般か

入札です。時代劇用語では入れ札です。
全国知事会がなんか言ってますね。「予定価格が1千万円以上の公共事業は一般競争入札にすべき」と。これは各県だけでなくて自治体に向けても発せられている言葉です。
しかしですね、自治体にこれをやれというのは酷な話なんです。指名競争入札というのは、入札を行う際に10社なら10社とあらかじめ参加する企業を指名します。そして、その中で入札をさせて決める、という方式です。指名された企業以外は入札に参加できません。確かにこの方法では談合は行いやすいといえます。
しかし、一般競争入札にするとそんなにメリットだらけかというとそうではありません。一般にしますと、どの企業でも入札できます。それが他県の企業であろうが、外国の企業であろうが関係ありません。ですから膨大な入札数、それこそ数千数万単位にまでなります。札が集まりますと今度はその膨大な数の札を一つ一つ調べて勘定せねばなりませんで、ここに4人なり5人なり自治体の職員を配さなければなりません。1日や2日で終わる作業ではありません。大変です。その間札を見ている人はもちろん他の作業は出来ませんから、その人の分だけ穴が開きます。こういうものも相当のコストになるのです。ことによっては、指名入札に代えて一般でやって浮いた分よりも、こちらのコストの方が大きかったりもします。
どちらがベストかというと、なかなか難しい問題です。しかしはっきりいえることは、普通の自治体レベルで一般競争入札を行うことは人員の面から見てかなり難しいことであるということです。