青い山脈

日活の吉永小百合版です。
なかなかようございますな。日活お得意の青春映画。私自体あまり青春々々してませんですからね―そりゃ今からすればいいんですが―こういう作品を見るとなんやら考えさせられます。
舞台は昭和三十云年でしょうね、戦後十何年といってましたから。あの時代はひとつの理想ではありますわね。いやむしろ幻想というほうがあっているかもしれません。精神解放の過渡期とでも申しますか、戦前までの古式のやり方からいわゆる民主々義となっていくという世相。このなんというかある種もどかしい時期、この時期の青春なんてのは、実際どうだったかは別として映画や小説なんかで見るといいんですね。封建的な考えも残っていて、それが自由主義に抵抗するような構図。
「嗚呼、我が青春はいづこにありや」、というところで締めましょうか。