座頭市

日曜ロードショーです。前に本館でレビューを書いてからもう1年以上経ってるんですね。あの時も日曜ロードショーでした。早いものです。
さて2度目のたけし座頭市ですが、だいぶ粗が見えますね。1年半たって私の目はよりいやらしくなってしまっているようです。まず全体的なことを言いますと、冗長です。もっと切り詰めることができたのではないでしょうか。冗長なのがすべて悪い、というつもりはありませんが、この作品の場合は悪い冗長です。もっともっと切って凝縮できる作品です。とくに最後のタップの場面。あの場面の必要性はなんでしょう?私にゃ分からんです。
また、言葉の点でもうひとつしっくり来ません。現代発音とでも言いますか、時代劇発音でない気がするんですね。ここはもう時代の流れといってしまはねばならないところなのかもしれませんが、気になりますわな。
それに、立ち回りもたいした事はありませんわね。平成作りの時代劇としては及第点はあげてもいいですが、でもなあ、というところ。なんでしょう、勢いでしょうか。ああ、これは立ち回り以前ですが、冒頭にたけしに向かってわーっと斬りかかっていくチンピラがいますね。たけしの手前まで来て速度を落として止まっちゃいけませんよ。喧嘩殺法としてはそのままの勢いでぶつかっていくくらいでないと。それを体を開いてかわしてバッサリというのが私の好みではあります。
これを書く前に本館で書いたレビューを読みましたが、あの頃はだいぶ甘く書いていたんですね。今だったらもっといやらしく書くんですけどね。
なんかもうひとつ書くことがあったように思うんですが、忘れてしまったので今日はこの辺で。
【追記】思い出しました。血です、血のり。人を斬ったとき、バーッって出しますでしょ。あれ、あんまり好きじゃないんですよ。この作品でもようけ使ってありますけれど。残酷さとかリアリティを出すには確かに有効なんですよ。もとい有効というよりも簡単にそういう描写ができるんですね。血を出すとそれだけで痛そうだとか、そういう風に観客に思わせることができる。簡単に、ね。
ですが私が思うにですよ、映画とかそういう映像作品というのは血を出さずに流さずにそれでいて残酷だとかそういう風に見る側に思わせる、それが映像の技だと思うんですよ。血を出すというのは究極のときであって、安易安直に出すもんじゃないと思うんですが、いかがですかね。